BLOG

ドラマ「アンサング・シンデレラ」簡単解説シリーズ♡vol.2「粉薬をおいしく飲む方法」

こんにちは! 薬剤師のY.O.です^^

さて、ドラマ「アンサング・シンデレラ」簡単解説シリーズ第二弾♡

お待たせ致しました^^ 

前回解説させて頂いた「疑義照会」のお話、いかがだったでしょうか?

お薬をお待ちの時、何やら薬剤師が病院に電話をし始めたな・・・と思ったら、それはあの、「疑義照会」かもしれません♡ 

ドラマ公式Twitterより

本日は、ドラマ第2話の1シーンの解説として、

『粉薬をおいしく飲む方法

について、お話ししたいと思います^^

ドラマでは、  マイコプラズマ肺炎になってしまったお子様に、「クラリスロマイシン」という抗生物質(菌を殺すお薬)の粉薬をなんとかおいしく飲んでもらおうと、お母様がオレンジジュースに混ぜてあげたら、吐き出してしまった・・・!  というシーンでした。

そう、「クラリスロマイシン」は、もともとのお薬の味がとっても苦いのです。

それをお子様でも飲みやすいように、コーティング剤で粒子を覆い、甘く感じるように工夫して作られています。

(お薬を開発する研究者の方が、皆様の見えないところで、とてもすごいお仕事をされているのです^^)

ですが、そのコーティング剤には弱点が・・・!

「酸性」の飲み物と一緒に飲むと、コーティング剤が剥がれてしまい、もともとの薬の苦い味がしてしまうのです・・・。 

PH(ペーハー)は、水溶液の水素イオンの濃度のことで、濃度が濃いものを「酸性」、薄いものを「アルカリ性」と呼びます。

数値だと、PH7を中性、それより低い数字だと酸性、高い数値だとアルカリ性となります。(上図を参照)

一概には言えませんが、ざっくり言えば、「酸っぱいもの」は酸性ですね◎

つまり、ドラマに出てくるオレンジジュースだけでなく、「柑橘系の果汁のジュース」「スポーツドリンク」「乳酸菌飲料」、なども「酸性の飲み物」となります。

また、「クラリスロマイシン」の他にも、同じように、酸性の飲み物でコーティングが剥がれてしまうお薬があります。

有名なのは「ジスロマック」という抗生物質。

1日1回 3日飲めば1週間効果が続くという、特徴的なお薬です☆

個人的には、ジスロマック×グレープフルーツジュース は、最悪の組み合わせだと思います・・・(苦)

(みどりのように薬剤師はみんな、薬の味見はよくします☆)

ドラマでは、みどりが代わりに「チョコアイスクリーム」と一緒に食べる方法を紹介しました。

他には、「ココア」や「牛乳」「バニラアイスクリーム」「プリン」「練乳」なども、相性のよい食品としてご紹介することが多いです^^

※うおのまち薬局には、ジスロマックの服用が苦手なお子様のために、口の中で剥がれない特殊なコーティング剤でつくられたジェネリックの製剤もございますので、お気軽にご相談ください^^

ちなみに、皆さん、粉薬を飲みやすくするアイテム『おくすりのめたね』シリーズをご存じでしょうか?

ただ、このシリーズにも酸性の商品がございます・・・!

ぜひご購入前に一度、パッケージをご確認頂き、PHの数値を見てください。

ピーチ味、グレープ味、いちご味は「酸性」ですので、クラリスロマイシン、ジスロマックの服用であれば、中性である「抗生剤用のチョコレート味」をお選びくださいませ^^

長崎県薬剤師会から届いたポスター

今日は「粉薬をおいしく飲む方法」についてお話しました。

日々、家事に育児にお仕事にと頑張っていらっしゃるお母様、お父様のお役に立てますように、また、お子様の健康を守ることができますようにと、私達も頑張りますので、いつでもお声かけくださいませ^^

最後までお読み頂きありがとうございました♡

第三回もお楽しみに^^