こんにちは^^ 薬剤師のY.O.です♡
さて、ドラマ「アンサング・シンデレラ」簡単解説シリーズ。やっと3回目…(汗)
ドラマは第7話まで放送されましたし、こちらも頑張って更新しますね♡
第3話は、透析治療を受けながら教師を続けている男性患者さんのお話。
入院後、持参薬を確認した葵は、その中で、『アダラートCR錠(血圧のお薬)が半分に割られて』調剤されたものを見つけ、怒ります。
そこで本日は、
「薬は勝手に割ったり、砕いたりしていいの?」
ということについて、お話してみようかと思います^^
『アダラートCR錠』のCRとは、「Control Released(放出制御)」 の略で、
「お薬の成分が徐々に放出される(Released)ように設計した(Control)もの」
日本語では、徐放錠 = 薬がゆっくり溶け出し、効果が長く続くよう工夫された錠剤 をいいます◎
このように特殊な構造でお薬がつくられることにより、以前は1日3回飲む必要のあったお薬でも、1日1回の服用で済むようになったお薬が、世の中にはたくさんあります^^
では、そのお薬を、勝手に割って飲んだり、粉砕してしまったら、どうなるでしょうか?
そうです、その特殊な構造が壊れてしまい、お薬の効き方がバラバラになったり、効果が薄れてしまったりと、大変危険です。
※ちなみに、ドラマではドラッグストアの現役薬剤師が、「時間がないから、在庫がなかったから」という理由で、半錠にしていましたが、あれは、現実にはないと思います^^
薬剤師にとっては初歩的なことで、学生さんでもわかる、国家試験レベルのこと。
さすがに現役薬剤師がわかっていて半錠にすることはないと思います。
ドラッグストアの薬剤師は病院薬剤師に比べて適当に働いている、ということもないです^^
ドラマですからね^^
ただ、「飲みづらかったから半錠にして飲んだ」「おじいちゃんには錠剤が大きすぎたので砕いて飲ませてあげた」と、ご自身で、またはご家族様のために、良かれと思って、割ったり、砕いたりしてしまう患者さんや、
施設の看護師さんが、入所者の方に飲みやすいように割ったり砕いたりしていたケースなどが、極まれにございます。
CR錠だけではなく、他にも、薬品名に「R」「L」などの文字が入っているものは、同じように「徐放錠」であるので、注意が必要です。
しかし、これらを全て覚えておくのも大変なので、皆様は
「薬は割ったり粉砕してはいけないものがあること、割ったり、粉砕する前に、一度薬剤師に相談すること」
と覚えておいて頂ければ十分です^^♡
ちなみに、半分に割ったり粉砕していいのか問い合わせがあった場合、薬剤師は、お薬の添付文書や、インタビューフォーム、メーカーさんに問い合わせたりして、データを調べてから返答しますが、
そのとき役に立つのがこの本^^
「錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック」
粉砕後、味に変化があるのか、湿気に強いのか弱いのか、光にさらされて何日間効果が保たれたか・・・などなど詳しいデータが一冊にまとまっている本です◎
なんと最近薬局長が最新版のこちらを購入して下さったので(ありがとうございます!)、しっかり有効活用して、より的確な指導に繋げ、さらに皆様に安心安全にお薬を届けられるよう、精進したいと思います!
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました^^
次回もお楽しみに♡(できるだけ早く更新しますねー!)